こども(幼児)の肘、肩が外れたという相談
2023年11月15日
時より慌ててお母さんから電話で
『子供の肩が脱臼したようで手を動かそうせずずっと泣いています』
といった相談をいただきます。
この電話が来た時に年齢を確認するとおおむね2~5歳くらいの子がほとんどです。
実際には肩ではなく肘の関節で【肘内障】と呼ばれる肘の関節で骨がずれてしまった状態になっています。
こちらは右腕の前腕部分です。
前腕の骨と二の腕の骨で肘の関節を構成していますが
ピンクのペンを橈骨、みどりのペンを尺骨と言い、そのうちのピンクの橈骨がずれてしまった状態が肘内障です。
この二本の骨は手のひらを下向きに捻るとねじれて交差します。
その際に重なり合ったところが支点となりテコのような力が働き
赤色で表している輪っか(橈骨輪状じん帯)というバンドの役割をしている繊維からずれてしまいます。
そうするとこどもは腕を押さえて動かそうとするとひどく痛がります。
橈骨のじん帯からずれてしまう部分は年齢を重ねるにつれてこちらのレントゲン写真のように先が大きく丸くなることでじん帯から抜けなくなります。
しかし、5.6歳くらいまでは丸い部分が棒状なため抜けやすい状態になっています。
『うちの子はよく肘が外れるんですよね』
と親御様に言われることがありますが、実は特別なことではなくてただ成長過程だというだけなのであまり心配しないようにしましょう。
ここで一つ小さなお子様がいる方にこどもの手を引く際に気を付けてほしいことがあります。
それは『手を引くときは子供の手のひらを上に向ける』
ということです。
ピンクと緑のペンで示した交差する形の状態で引くと外れやすい動きになります。
ですので手のひらをうえにして日本の骨が平行な状態にしましょう。
両手を引っ張って高い高いのような遊びをする際は気を付けてくださいね。
お子様のお怪我もご相談ください。